エゴグラムによる自己変容のためのアプローチ

「過去と他人は変えられない」というのがエゴグラムの考え方の根底にあります。
つまり、「未来は変えることができる」。それをできるのは「自分でしかない」ということです。ここでは、エゴグラムという科学的がデータに基づいて、日々、言葉使いや行動をどのように変えていくことが効果的なのかをお伝えさせていただきます。

自己を変容していきたい、自己成長をしたいという方はもちろん、子育てや人材育成などにおいても、何の自我が足りていないのか、そして、どのように自我のバランスをとっていけばいいのかなどのヒントにすることができます。

◎エゴグラムとは?ざっくりと
◎理想的なエゴグラムはあるのか?
◎エゴグラムを用いた自己変容の具体的な方法

 

 

◎エゴグラムとは?…ざっくりとお伝えします

エゴグラムは、その人の行動の背景にある現在の心の5つの機能がどのようなバランスで自分の中にあるのかを知るためにグラフ化されたものです。それは、以下の5つになります。

●あなたが親のような役割の人から取り入れた行動
CP:批判的な親=父性の自我状態
NP:養育的な親=母性の自我状態

●あなたが、今、現実的な状況に対して、科学的な思考・行動を行う自我状態
A :成人の自我状態

●大人になっても、欲求の感じたままに行動する自我状態
FC:自由な子どもの自我状態

●大人になっても、両親の期待に応えようと、子ども心に決断したことを再演する自我状態
AC:順応した子ども

どの機能も人にとって必要なものです。必要なときに必要な機能が働いているかどうかはとても大切なことです。このエゴグラムとは、私たちの自我状態を5つの反応パターンに分類し、そのエネルギー配分をグラフ化することで、その人の性格のクセを捉える、といったものです。

当研究所のTPI-EMテスト(エゴグラムパターン解説付き)を受講されますと、エゴグラムの特徴を東京大学TEGⅡ研究チームのパターン分析を参考に解説しております。以下は、当研究所受講者によるエゴグラムパターン解析のサンプルになります。

 

EG-3

 

 

◎理想的なエゴグラムはあるのか?

誰と出会っても、自分の表現を十分にできることが、エゴグラムでは理想とされます。それも一理あります。ストレスの8割は人間関係に関するものがほとんどです。どんなタイプの人とでも、自然体で、良い交流ができることがベストです。そして、合理的にものごとを考えることができ、自分をきちんと律し、相手の立場を配慮できる温かさを兼ね備えている。調和のとれた交流ができること、これがエゴグラムの望ましい形の一つです。

そのためには、「人生の姿勢」といわれるものを見つめる必要があります。
自分と相手に対する「基本的な構え」のことです。

自己を肯定的に捉えているか、否定的に捉えているか、その度合です。
他者を肯定的に捉えているか、否定的に捉えているか、その度合です。

自己と他者の捉え方で、対人関係も大きく変わってきます。
自己も他者もOK(肯定的に捉える、無条件に受け入れる)であるなら、協調性もあり問題が生じることは少ないでしょうが、その反対に自己も他者もNO(否定的に捉える、壁をつくる)である度合が高くなれば、相手の欠点が目につきやすく、批判や排斥する傾向が強くなります。対人関係があまりうまく行かない場合は、ぜひ、対人交流の改善に役立てください。

自分はOK、他人もOK となるのが望むべき理想のかたちです。

決めるのはあくまでも自分ですが、一般的にNPとFCを高くして、ACをそれよりも低くする方向に目標を定めるのがいいとされています。そして各尺度は心的エネルギーの量を現わしているものですから、ある程度の数値の高さがある方が望ましいでしょう。
望ましいエゴグラムの一つの例として、図1~3をご参考にしてください。

 

eg500

図1は、言葉でしっかり自己表現しないと伝わらない文化である欧米人やビジネスマンに多いとされるAを頂点にしたエゴグラム。
図3は、以心伝心、その場の空気感を読むことを尊しする日本人や女性に多いとされるNAを頂点にしたエゴグラム。
図2は、エゴグラム考案者のデュセイによれば、平行も望ましいとされています。

 

 

◎エゴグラムを用いた自己変容の具体的な方法

心的エネルギーも肉体的エネルギーに似て、だいたいその量は一定ですから、ある個所を伸ばすと他の部分へのエネルギーの給付は減っていきます。つまり分配がおこります。

  1. 目標をはっきりさせる
    まず、目標をはっきりさせる。そして、具体的にどのようなエゴグラムになりたいか考える。
  2. 高い自我状態を縮めるより、低い自我状態を伸ばすようにする。
    高い自我状態を縮めるより、低い自我状態を伸ばすようにする。低い自我状態を伸ばすことにより、相対的に高い自我状態が縮むことも期待される。

 

<CPを上げる方法>
「私は…と思う」とはっきり意見を言うように心がけたり、部下や子どもの間違いをその場で叱るようにする。
具体的には…

●言葉を変えてみる
・「まあ、いいか」は禁句にする
・「~したほうがいいかも」から「~すべきだ」へ
・「こんなものだろう」から「もっともっと」へ
・「適当でいいや」から「とことんやろう」へ
・「どっちでもイイや」から「これでなきゃダメだ」へ

●行動パターンを変えてみる
・時間や規則、約束に厳しくなる
・間違いだと思うことはその場で違うと指摘する
・コレだと思ったことは最後まで譲らない
・目標を立てて、最後まできちんと成し遂げる
・任されたことは、責任を持って果たすようにする

 

<NPを上げる方法>
相手をほめる言葉をかけたり、相手の気持ちを認める言葉をかけてみる。
具体的には…

●言葉を変えてみる
・「よくやりましたね」などのほめ言葉を増やす
・「なんだ、ダメだなあ」から「残念だったね」へ
・「最近調子はどう」など相手を気遣う言葉を増やす

●行動パターンを変えてみる
・人の長所に目を向けてほめるようにする
・人の悩み事に親身に相談になる

 

<Aを上げる方法>
言いたいことや問題点を箇条書きにしてみる。また、同じ状況で他の多くの人ならどのように考え、行動するかを考えてみるのもよいと思われる。さらに、いわゆる5W1Hを確認するように心がけるのもよい。
具体的には…

●言葉を変えてみる
・「はあ、そうですか」から「もう少し詳しく教えてください」へ
・「具体的に言うと…」と、相手の話を確かめるようにする。
・「いつ、誰が、どこで、何のために、なぜ、どのようにして」を意識する
・「大丈夫だから」から、その根拠を伝えるようにする

●行動パターンを変えてみる
・行動する前に、まず考えてみる
・気分を落ち着かせ、いつでも冷静でいるように心がける
・「なぜだろう」と疑問を持つ
・言いたいこと、やりたいことを書き出す
・変だな、と思ったら徹底的に調べる
・問題や状況を全体的に眺め、結果を予測するようにする

 

<FCを上げる方法>
集まりに積極的に参加したり、ユーモアや冗談を言ってみる。芸術や娯楽を楽しむ時間を増やすのも一つの方法である。
具体的には…

●言葉を変えてみる
・「なんだかつまらない」から「なんだか面白そう」へ
・「どうしよう」から「なんとかなるさ」へ
・「クスクス」から「ワハハ」へ
・「エー!ホント!スゴイ!など大げさにリアクションする」

●行動パターンを変えてみる
・喜怒哀楽をはっきり出す
・楽しいときは大笑いをする
・やりたい、言いたいことは思い切って言う
・冗談やユーモアを言う
・趣味や娯楽を思い切り楽しむ
・心がワクワクするようなことを考える

 

<ACを上げる方法>
聞き手にまわってみて、相づちを打ったり、相手がどう感じたかを確かめてみる。少し遠慮や妥協をしてみるのもよい。
具体的には…

●言葉を変えてみる
・「自分とは関係ない」から「他人事ではない」へ
・「勝手にやるよ」から「一緒にやろうよ」へ
・「こうしろ」から「どう思う?」へ
・「どう?」「大丈夫?「これでいい?」などの言葉を使う

●行動パターンを変えてみる
・自己主張するばかりでなく、聞き手にもなる
・人の話をうなずきながら聞く
・相手の気持ちや考えを確かめるようにする
・遠慮をしてみる

 

 

理想的なエゴグラムは、人によって、立場によって変わってくるでしょうが、自分の表現を十分にできることです。どんなタイプの人とでも、自然体で、良い交流ができることがベストでしょう。その上で、合理的な考え方ができて、自分をよく律し、相手の立場を配慮できる温かさを兼ね備え、調和のとれた交流ができることです。 完璧な人は存在しないかもしれませんが、少しでもこのような交流ができるよう日々研鑽していきたいと思います。

エゴグラムや自己変容のアプローチについて、もっと詳しく知りたい方は、以下の書籍をおススメしております。

 

※参考引用書籍:新版TEG2活用事例集 東京大学医学部心療内科TEG研究会(編) 金子書房
※参考書籍:交流分析とエゴグラム 新里 里春 (著) チーム医療

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